祝!全国中学生人権作文コンテスト埼玉県大会で入間市民が賞をもらいました

令和6(2024)年度の全国中学生人権作文コンテスト埼玉県大会で、入間市立金子中学校3年生のアリ・モハマド・ナセルさんが最優秀賞を受賞しました。
おめでとうございます!

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さいたま地方法務局・埼玉県人権擁護委員連合会主催
令和6年度全国中学生人権作文コンテスト埼玉県大会 最優秀賞(中央大会 法務省人権擁護局長賞)

「ここは日本だから」
入間市立金子中学校 3年 アリ・モハマド・ナセル さん

「どうして、断食するの。それって、だるくね。」
と同級生が僕に聞いてくる。悪口ではないと知っているが、「めっちゃだるい。」という返事でも期待しているようでもある。
「知らんで、豚肉を食べたらどうする。」
と続けて聞いてくる。
「全く知らなかったのなら、神は許してくれるよ。」
と答えると、
「じゃあ、知らなかったふりをすれば、食べられるわけね。」
僕は返答に困ってしまった。そして、「ここは日本なんだから。」と、心でつぶやきながらそのもやもやした気持ちをしまった。

僕の家族は、イスラム教のパキスタン人だ。日本での生活は十年以上になる。こんなこともあった。
母がマイナンバーカードの証明写真をとる時、証明写真は公的なものだからフォーマルでないといけない、だからヒジャブをかぶることが必要だと思っていたが、
「顔がはっきり見えるようにスカーフをとってください。」
と係の人に言われ、母はヒジャブを外したそうだ。
「ここは日本だから、日本のルールに合わせたのよ。」
と、その様子をさらりと話した。イスラム教のヒジャブは、女の人をリスペクトするためにある。おしゃれではない。それを知っていれば、写真をとった係の人の言い方は少し違って、「申しわけありませんが、スカーフを外してくれませんか。」と言ったと思う。

僕は不思議に思うことがある。日本には、たくさんの神様がいることだ。なぜ一つではないのか。この不思議を、「変じゃん。」と言ってはいけないことを分かっている。ここは日本だから・・・。日本の宗教をリスペクトする態度を見せることが大事だと思う。豚肉を食べる日本の食習慣も同じだ。僕は絶対に豚肉を食べないが、豚カツやラーメンを食べている人に、「変。」とか「嫌いだ。」と言わない。修学旅行で見たお寺や大仏は、仏教そのものだが、宗教に関係なくすばらしいと思った。このように思うのは、父と母から教わったのかも知れない。
「他人をリスペクトすると、心がやさしくなる。リスペクトされると、とてもうれしくなるでしょ。」
と、よく言っているからだ。

イスラム教には、女の人と目を合わせないように気をつかう習慣がある。これはヒジャブをかぶることと同じ理由で、女の人へのリスペクトである。日本では、相手の目を見て話すことがマナーなので、このことは真逆である。リスペクトしたつもりが、話を聞かないとか、真面目ではないと思われているかも知れない。この点は気をつけようと思う。

入間市では、人の数は年々減っているが、外国人は増えている。僕と僕の家族が感じたことは、これから入間市に住む外国人がきっと経験するだろう。宗教や文化の違いで、他人の心を傷つけたり、自分が傷ついたりすることはとても残念だ。そうならないために僕たちができることは、いろいろな宗教や文化を知ることだと思う。これは、日本人が外国へ行っても大事なことだと思う。相手のことを知ると、もっと知りたいと思ったり、リスペクトしたりと、温かいコミュニケーションが生まれる。僕が街を歩いているとき、
「どこの国なの。」
「日本語、上手いね。」
と声をかけられるとうれしくなる。それは、僕のことについて聞いてくれたからだ。僕は笑顔で答える。

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